ハチゴロウの戸島湿地

ハチゴロウの戸島湿地の概要

ハチゴロウの戸島湿地

豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地は、豊岡市の北部円山川河口近くに位置しており、3km先は日本海です。周辺は山に挟まれた低湿な田んぼや畑、集落で、一帯が氾濫原の名残を今に残す汽水域です。周辺の里山、小川、田んぼ、河川、海と有機的につながることで、湿地の生態系を高めてコウノトリの生息地となるような取組みを行ってきました。
ハチゴロウの戸島湿地には、湿地を一望しながらコウノトリや豊岡の自然について学ぶことができる管理棟、コウノトリが繁殖に利用する人工巣塔や、湿地に舞い降りるコウノトリや水鳥を観察するための、湿地水面に浮かぶ観察棟があります。

コウノトリ

入場料、駐車場（15台）は無料ですが、ワンコインの環境協力金に協力しましょう。
火曜日（祝日と重なった場合は翌日）、年末年始（12月28日から1月3日）は休場日です。

ハチゴロウの名前の由来

ハチゴロウの戸島湿地

コウノトリの郷公園が放鳥の準備を進めていた2002年8月5日に、大陸から渡ってきた1羽の野生コウノトリが豊岡に舞い降りました。そのコウノトリは、飛んで来た8月5日にちなんでハチゴロウと呼ばれるようになりました。ハチゴロウの行動は、コウノトリが生息するための環境造りや、人間との距離の保ち方などの参考になりました。
2005年の初夏、ハチゴロウは戸島地区にある、湿田を乾田に嵩上げ工事を予定していた田んぼに入り浸たるようになりました。豊岡市は、戸島地区の農家と話し合いを重ね、農家は半分をコウノトリの環境にするために市に提供され、兵庫県と豊岡市は、この湿田をコウノトリの餌場に整備し、2009年4月2日、豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地が開設されました。戸島湿地に”ハチゴロウの”と付けたのは、湿地ができるきっかけを与えてくれたハチゴロウに感謝し、将来にそのことを忘れないようにするためです。

コウノトリと環境

コウノトリは翼を広げると2mもある大型の鳥で、IUCNレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に記載されています。日本では1971年に一度は絶滅しましたが、最後の生息地だった豊岡市で野生復帰の取り組みが続けられ、放鳥と繁殖を経て、2018年時点で国内野外において約140羽が生息しています。こうした人里での野生復帰は、世界でも例を見ません。
コウノトリは大型の淡水魚をはじめとする水生動物から、ヘビやバッタのような陸生動物まで、多様な餌を食べる肉食の鳥です。なので、コウノトリ野生復帰は、餌となる生きものに満ちた豊かな自然環境はもちろん、大型の鳥を人々の暮らしに受け入れる文化を創造していくことでもあります。

ラムサール条約湿地

円山川下流域・周辺水田 | ラムサール条約湿地
湿地のタイプ：河川、河口域、水田
登録年月日：2012年（平成24）7月3日
湿地の特徴：河川及び周辺水田、コウノトリ、キタノメダカ等の生息地

住所/電話番号

〒669-6103 兵庫県豊岡市城崎町今津１３６２　0796-20-8560