阿寒国際ツルセンター【グルス】の概要
タンチョウへの人工給餌発祥の地であり、タンチョウの越冬地でもある阿寒町は、古くからタンチョウの保護に携わってきました。
1996年に設立された阿寒国際ツルセンターでは、専門の研究員がタンチョウの生態や行動などを研究し、それを発信するとともにタンチョウの保護に役立てていく、国内唯一のタンチョウのための施設です。
センターにはツルの生活や習性、からだのしくみなどを分かりやすく解説した展示コーナーや、いきいきとしたツルの姿を伝える映像コーナー、ツルに関する文献や映像資料を集めたライブラリーコーナーがあります。また野外飼育場では、自然に近い状態で飼育されているタンチョウが一年を通して観察することができます。
阿寒国際ツルセンター【グルス】は、ラムサール条約湿地である阿寒湖の南端から南に33km(直線距離)の所に位置します。
タンチョウ観察センター
11月から3月上旬の間、タンチョウ観察センター(分館)の前に広がる給餌場では人工給餌を行い、野生のタンチョウが多い時で150羽以上飛来します。
撒いている餌はトウモロコシです。朝、ねぐらから出てきて餌を食べて過ごし、夕暮れ時に帰って行きます。
一日を通してタンチョウを見ることができますが、天候や時期、時間などによりその数は変動します。多い時には300羽以上のタンチョウが飛来し、世界各国からカメラマンやバードウォッチャー、観光客が集まります。暖かい室内からもタンチョウの優雅な姿を眺める事ができ、無料双眼鏡も備え付けてあります。
また館内には軽食喫茶もあり、タンチョウを眺めながらお食事を楽しむ事ができます。
阿寒丹頂の里 人工給餌発祥の地
ある雪の朝、上阿寒地区在住の(故)山崎定次郎氏が自分の畑で、大きくて白い数羽の鳥が、トウモロコシの茎を積み重ねた「ニオ」を突付いているのを見つけ ました。あまりの美しさにしばらく呆然と見とれていたといいます。その鳥こそが、絶滅したと思われていたタンチョウだったのです。
この大きくて美しい鳥を永遠に見続けたい。何とか生き延びてくれ。そう願いを込めて、当時の貴重な食糧でもあるトウモロコシを、畑一面に撒いたのです。しかしタンチョウは、とても警戒心の強い鳥で、撒いたトウモロコシにはなかなか近づくことはありませんでした。しかし山崎氏は、毎朝同じ時間にトウモロコシを撒き続け、タンチョウと山崎氏の間に信頼関係が生まれ、人工給餌が成功したのです。
これが人工給餌のはじまりです。こうして厳しい冬にタンチョウが餓死することも減り、タンチョウの生息数も増えていきました。現在では三代目 山崎一彦氏が北海道から給餌人として委託され、給餌活動を行っています。
ビオトープで見られる野鳥
阿寒国際ツルセンターの裏手に広がるビオトープは、野鳥の楽園です。冬はたくさんのタンチョウが飛来し、夏は様々な種の野鳥がやってきます。
フクロウ、オジロワシ、オオワシ、トビ、クマタカ、ノスリ、ケアシノスリ、オオタカ、ハイタカ、ミサゴ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、カッコウ、ツツドリ、アオバト、キジバト、カワセミ、ヤマセミ、アリスイ、コゲラ、コアカゲラ、アカゲラ、オオアカゲラ、ヤマゲラ、クマゲラ、ツバメ、ショウドウツバメ、イワツバメ、アマツバメ、ハリオアマツバメ、和 名、ヒバリ、タヒバリ、ビンズイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、キレンジャク、ヒヨドリ、オオモズ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、キクイタダキ、ヤブサメ、ウグイス、エゾセンニュウ、シマセンニュウ、コヨシキリ、オオヨシキリ、センダイムシクイ、エゾムシクイ、ノゴマ、コルリ、ジョウビタキ、ノビタキ、ツグミ、クロツグミ、アカハラ、イソヒヨドリ、エゾビタキ、サメビタキ、和 名、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、ハシブトガラ、コガラ、シジュウカラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、シマエナガ、メジロ、ホオジロ、ミヤマホオジロ、カシラダカ、アオジ、クロジ、オオジュリン、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ベニヒワ、ベニマシコ、オオマシコ、ウソ、イカル、シメ、ムクドリ、コムクドリ、スズメ、ニュウナイスズメ、カケス、和 名、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ワタリガラス、マガン、ヒシクイ、オオハクチョウ、オシドリ、マガモ、コガモ、カルガモ、ホオジロガモ、カワアイサ、アオサギ、タンチョウ、ナベヅル、カナダヅル、クイナ、コチドリ、イカルチドリ、キョウジョシギ、タカブシギ、イソシギ、キアシシギ、アオアシシギ、オオジシギ、ヤマシギ、カモメ
参考:阿寒国際ツルセンター【グルス】ホームページ、釧路・阿寒湖観光公式サイト
開館時間 / 休館日
阿寒国際ツルセンター【グルス】(本館)
開館時間 9:00~17:00 年中無休
タンチョウ観察センター(分館)
開館期間 11月1日~3月31日 開館時間 8:30~16:30(11~1月は16:00まで) 期間中無休
本館・分館 共通券
大人(高校生以上) 480円 小・中学生 250円 ※2022年1月時点
住所/電話番号
〒085-0245 北海道釧路市阿寒町上阿寒23線40 0154-66-4011
阿寒国際ツルセンター【グルス】の場所と行き方
飛行機
釧路空港(たんちょう釧路空港)から約20km 車で23分。
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バードウォッチング ツアー
初めての方でも楽しめる、野鳥ガイド 久下直哉氏 と行くバードウォッチングのツアーです。
北海道のバードウォッチング 野鳥観察施設 一覧
北海道にある、バードウォッチング用の野鳥観察施設を紹介しています。
一覧には、観察用の建物や小屋が無くても、管理所があり、管理所主催の探鳥会などが催されているような所、展示所があり、野鳥に関する展示があるような所も掲載しております。
エリア | 施設名 | 住所/電話番号 |
---|---|---|
道東 | 釧路湿原野生生物保護センター | 〒084-0922 北海道釧路市北斗2−2101 0154-56-2565 |
道東 | 釧路市丹頂鶴自然公園 | 〒084-0926 北海道釧路市鶴丘112 0154-56-2219 |
道東 | 阿寒国際ツルセンター【グルス】 | 〒085-0245 北海道釧路市阿寒町上阿寒23線40 0154-66-4011 |
道東 | 厚岸水鳥観察館 | 〒088-1140 北海道厚岸郡厚岸町サンヌシ66 0153-52-5988 |
道東 | 霧多布湿原センター | 〒088-1304 北海道厚岸郡浜中町四番沢20 0153-65-2779 |
道東 | 温根内ビジターセンター | 〒085-1145 北海道阿寒郡鶴居村温根内 0154-65-2323 |
道東 | 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ | 〒085-1200 北海道阿寒郡鶴居村雪裡南 0154-64-2620 |
道東 | 根室市春国岱原生野鳥公園 ネイチャーセンター | 〒086-0074 北海道根室市東梅103番地 0153-25-3047 |
道東 | 野付半島ネイチャーセンター | 〒086-1645 北海道野付郡別海町野付63番地 0153-82-1270 |
道東 | 中標津町緑ヶ丘森林公園 野鳥観察センター | 〒086-1145 北海道標津郡中標津町北中3−16 0153-73-2191 |
道東 | 知床世界自然遺産・知床国立公園 知床羅臼ビジターセンター | 〒086-1822 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町6−27 0153-87-2828 |
道東 | 塘路湖エコミュージアムセンター 「あるこっと」 | 〒088-2264 北海道川上郡標茶町塘路原野 015-487-3003 |
道東 | 濤沸湖水鳥・湿地センター | 〒099-3112 北海道網走市北浜203番3地先 0152-46-2400 |
道東 | 知床自然センター | 〒099-4356 北海道斜里郡斜里町遠音別村531 0152-24-2114 |
道北 | 稚内市大沼野鳥観察館 | 〒097-0000 北海道稚内市声問村声問 原野 0162-26-2965 |
道北 | 北海道海鳥センター | 〒078-4116 北海道苫前郡羽幌町北6条1丁目 0164-69-2080 |
道北 | サロベツ湿原センター | 〒098-4100 北海道天塩郡豊富町字上サロベツ8662 0162-82-3232 |
道北 | 幌延ビジターセンター | 〒098-3228 北海道天塩郡幌延町下沼 01632-5-2077 |
道北 | 浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館 | 〒098-5739 北海道枝幸郡浜頓別町クッチャロ湖畔37 01634-2-2534 |
道央 | ウトナイ湖野生鳥獣保護センター | 〒059-1365 北海道苫小牧市植苗156−26 0144-58-2231 |
道央 | ウトナイ湖サンクチュアリ | 〒059-1365 北海道苫小牧市植苗150−3 0144-58-2505 |
道央 | 宮島沼水鳥・湿地センター | 〒072-0057 北海道美唄市西美唄町大曲 0126-66-5066 |
道央 | 旭山記念公園 | 〒064-0943 北海道札幌市中央区界川4丁目1−3 011-200-0311 |
道央 | 支笏湖ビジターセンター | 〒066-0281 北海道千歳市支笏湖温泉 0123-25-2404 |
道央 | 野幌森林公園自然ふれあい交流館 | 〒069-0832 北海道江別市西野幌685−1 011-386-5832 |