背割堤でバードウォッチング

淀川河川公園 背割堤でバードウォッチング

淀川河川公園 背割堤でバードウォッチング

久下氏から、京都府八幡市にある背割堤(せわりてい)でバードウォッチングをしませんかということで、数人の探鳥仲間と一緒に行ってきました。
背割堤は木津川と宇治川を分ける堤防で、その上に約220本の桜が1.4kmに渡って植えられています。ツバメが日本にやってくるこの時期は、桜の花が満開で、桜のトンネルを散策できるのです。

淀川河川公園 背割堤でバードウォッチング

私たちは堤防の上にある桜のトンネルはほとんど歩かずに、堤防の下の方を歩いて鳥を探して歩きました。”花より団子”ならぬ”花より野鳥”のグループです。

桜の蜜を齧りとるスズメ

背割堤の入り口で待ち合わせをしていると、上から桜の花がぼたぼたと落ちてきます。花びらがヒラヒラと散るのではなく、椿の花が落ちるように、花がそのままに落ちてきます。見上げてみると、スズメが桜の花の茎の辺りをブチっとかじり切ってます。スズメはクチバシが細くないので、蜜を吸うことができず、花と茎の間に溜まっている蜜を齧りとるので、花がそのままの形で落ちてくるのです。

背割堤のツグミ

背割堤のツグミ川の砂岸の上をツグミハクセキレイがうろうろしていました。ツグミの歩く様子を知っていれば、初心者でも砂岸の上や広場を歩くツグミはすぐに見つけることができます。
大きさはムクドリとほぼ同じ大きさですが、木の枝が重なったところに止まってじっとしているツグミはなかなか見つけにくいものです。
冬鳥のツグミは、そろそろ渡って行く頃です。この胸から腹部にかけての素晴らし柄もしばらく見れなくなります。

ウグイスのさえずり

ウグイスのさえずり

木津川御幸橋を渡っている時に、あちらこちらからウグイスの「ホーホケキョ」というさえずりが聞こえてきます。ウグイス地鳴きは「チャッチャ チャッチャ」で、「ホー ホケキョ」はオスのウグイスがメスを誘ったり、他のオスに自分のテリトリーを主張するための繁殖期特有の鳴き方なのです。
ウグイスは警戒心が強いので、あまり姿を見ることができないことで有名です。木立の上で声高らかにさえずっているウグイス久下氏が見つけてくれました。このウグイスは、おそらくテリトリーを主張しているウグイスなのでしょう。
ウグイスの姿をしっかりと見れたのも初めてですが、喉を大きく膨らませせてさえずる様子を観察できて感動しました。
ウグイスさえずりは、オオルリさえずりコマドリさえずりを合わせて、日本三鳴鳥と言われています。

桜の蜜を吸うヒヨドリ

桜の蜜を吸うヒヨドリ

ウグイスに負けないぐらいにヒヨドリが賑やかに鳴いています。岸から桜へ、桜から岸へとせわしなくヒヨドリが飛んでいます。ヒヨドリメジロとかと同じく桜の蜜を吸う花蜜食(かみつしょく)なのです。

桜の蜜を吸うヒヨドリ

いくつもの桜の蜜を吸ったヒヨドリは、クチバシの先が花粉で黄色くなっています。この時期ならではのヒヨドリの見どころと久下氏に教えていただきました。

木立の上のモズ

木立の上のモズ

毎回のように掲載していますが、木立の上は要チェックです。

木立の上のモズ

この日、この木立の上にはモズが止まっていました。1分経つか経たないかで飛びますが、ブーメランのようにUターンして戻ってきたり、別の木立に行った後に、また戻ってきます。

木立の上のモズ

モズの見分けポイントは幾つかあります。

  • 過眼線といわれる目尻から伸びる線が黒い
  • タカのような鉤型のクチバシ
  • 長めの尾羽
  • 尾羽をくるくる回す

クチバシがタカのような形をしているのは、カエルやトカゲを捕食しやすいようにです。モズは肉食なのです。

木の枝にメジロ

木の枝にメジロ

このように、見晴らしは良いけれど、木の枝が複雑に延びているところは、メジロエナガシジュウカラなどスズメぐらいの大きさの野鳥が止まっていることがあります。

木の枝にメジロ

この日は、メジロを見ることができました。

ニュウナイスズメ

ニュウナイスズメ

ニュウナイスズメという野鳥は、この日のターゲットの一つでした。この写真はオスのニュウナイスズメです。一目で分かるスズメとの違いは、スズメにはある頬の黒斑が無いことです。
ほくろの古名はにふで、にふが無い雀ということでニュウナイスズメと呼ばれるようになったという説と、皇居(入内)に生息していたからニュウナイスズメと呼ばれるようになったという説がありますが、山地の林などにいることが多いので、黒斑が無いスズメの方が的を得てそうですね。

ニュウナイスズメ

桜の蜜の採り方も、スズメのように齧りとるのではなく、切って吸う感じです。花を咥えている姿が、これまたかわいいです。色も、スズメよりも濃くて鮮やかです。

ニュウナイスズメ

ニュウナイスズメのメスは、スズメよりも色が薄いです。眉斑が薄い黄色で長いのが特徴です。

多くのスズメがいる中から、ニュウナイスズメを見つけるのは簡単な事ではありません。久下氏はいつもの通り、鳴き声で探し出しました。ニュウナイスズメ鳴き声が聞こえたとたん、桜の木を双眼鏡で確認して、ニュウナイスズメを見つけ出しました。
観察しながら「ニュウナイスズメ鳴き声を聞いてください。スズメよりも濁った鳴き声でしょ!」と説明してくれました。確かに、スズメよりも濁った鳴き声ですが、その鳴き声ニュウナイスズメが目の前にいるから分かることで、桜の木の下を歩いていて、「今のはスズメ鳴き声ではなく、ちょっと濁っていたからニュウナイスズメ鳴き声」と気付けるかと言うとかなりの集中力がいると思います。 久下氏は、みんなにニュウナイスズメを見せてあげたいと思って、耳をダンボにして歩いていたそうです。
せっかく、ニュウナイスズメ鳴き声を聞いたのだから、自分で聞き分けれるようになりたいと思いました。

季節が変われば野鳥も変わる

久下氏が、「桜が散ったら、また背割堤に来ましょう」と言います。花が散って、毛虫が多くなるころには、毛虫などの虫を採食する野鳥が集まってくるそうです。
久下氏は、具体的にどのような野鳥が見れるかは教えてくれず、その時のお楽しみにという感じでニヤリと笑ってました。

他の野鳥の鳴き声

キジの「ケーン ケーン」というさえずりシジュウカラの「ピツー ピツー ピツー」というさえずりホオジロの「チチッ チチッ」という地鳴きをはじめ、さまざまな野鳥の鳴き声を聞くことができました。
(カタカナで記載した鳥の鳴き声は便宜上の表現で、聞こえ方は人それぞれだと思います)

 

バードウォッチングに関する気付き

バードウォッチング ツアー

初めての方でも楽しめる、野鳥ガイド 久下直哉氏 と行くバードウォッチングのツアーです。

バードウォッチング ツアー

バードウォッチング ツアー 一覧のページ

バードウォッチング基礎知識

八幡市背割堤の場所と行き方

 ⇒ 大きな地図で見る

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です