サンコウチョウを探そう
サンコウチョウを探しに能勢 妙見山 初谷渓谷へ
皆さんはサンコウチョウという野鳥をご存知ですか?
オスのサンコウチョウは、体の大きさはスズメぐらいですが、尾羽が30cm以上あるので、全長が45cmになる野鳥です。しかも目の周りのアイリングは明るい水色なので、ちょっとコミカルな姿をしています。
久下氏が、そのサンコウチョウを、妙見山へ探しに行こうと誘ってくれました。
サンコウチョウとすれ違い
5/5に、大阪城公園へお袋とオオルリを探しに行った時のことです。バードウォッチングをしている数人の方々から「昨日と一昨日にサンコウチョウを見た」とか「サンコウチョウを探しに来た」という話を聞きました。
5/3と5/4の2日間、大阪城公園にサンコウチョウがいたそうです。この2日間はあまり天気が良くなく、5/5は快晴でした。南から渡って来て、初夏に日本の山中で繁殖するサンコウチョウが、天気の良くない2日間を大阪城公園で待機して、5/5に北の方へ飛んで行ったようです。私は、1日違いでサンコウチョウを見損ねたのです。だから、久下氏が、サンコウチョウを、妙見山へ探しに行こうと誘ってくれた時は小躍りしました。
妙見口駅から初谷渓谷へ
能勢電鉄 妙見口駅で久下氏と待ち合わせをして、サンコウチョウがいるという初谷渓谷へ向かいました。初谷渓谷の入り口は妙見口駅から妙見ケーブルと反対方向へ歩いて20分ほどで到着です。
川で野鳥チェック
以前に、箕面公園でバードウォッチングをした時と同様に、川では必ず、野鳥がいないかチェックをします。チェックポイントとターゲットとなる野鳥の一例を記載しておきます。
- 川が段になっている下の所。(カワガラス)
- 川に張り出した木の枝(カワセミ・ヤマガラ 冬:ルリビタキ・ジョウビタキ)
- 川の淵(ミソサザイ)
- 岩の上(キセキレイ・ハクセキレイ)
他にも、いろいろな野鳥が見れる可能性があります。
初谷渓谷を歩く
初谷川沿いの渓谷を歩き出すと、一気に野鳥の鳴き声が聞こえてきて期待が高まります。渓谷は野鳥の宝庫です。その代表的な理由を並べてみます。
- 飲み水に困らない
- 昆虫 ミミズ 小魚などエサが豊富
- 営巣の素材となる苔がある
野鳥が生きて行くための環境として最適ですが、視野が狭かったり葉が茂っていて見つけにくいなど、バードウォッチング初心者としてはちょっとハードルが高いです。焦らずに鳥が動くのを待って、飛んだあとを目で追うと、だんだんと目が慣れてきて、コゲラやシジュウカラなどお馴染みの野鳥はすぐに見つけれるようになりました。
オオルリの巣
ずっと岩肌の方をチェックしていた久下氏が「あった!」と言いました。なんとオオルリの巣だそうです。
ここで卵を温め、ヒナを育てるのですが、このような場所では、ヘビやイタチなどにすぐに捕食されるのではと心配です。
サンコウチョウがいそうな場所
渓流沿いの杉が多く立っている所は、サンコウチョウが好む場所だそうです。ここのポイントに、数人のカメラマンがスタンバイしていました。私たちは、もう少し上流の杉林でサンコウチョウが現れるの待つことにしました。この写真でも分かるように、杉の枝はかなり上の方になります。ですから、かなり上の方をチェックする必要があることが、久下氏に確認するまでも無く気付きました。
1時間半程、待機しましたが、サンコウチョウの鳴き声が聞こえないので、もう少し上流のポイントへ行くことにしましたが、前日までの雨で、川の水が氾濫していたので先ほどの所まで戻ってくると、カメラマンの方がサンコウチョウが現れたと教えてくれました。耳を澄ませながら杉の木の上の方をチェックしました。しばらくすると、けっこう大きな鳴き声が聞こえました。久下氏が「サンコウチョウのさえずりです」と教えてくれました。
耳を澄ますと、再び特徴的なさえずりが聞こえました。
日本野鳥の会が出版しているイラスト図鑑には「ピヨロピ ホイホイホイ」の「ピヨロピ」が、「月・日・星」と聞こえるので三光鳥と名付けられたと記載されています。
この「ピヨロピ」の部分は濁った低い声ですが、「ホイホイホイ」はよく通り、林の中に大きく響く声です。鳴き声がする方向を探します。
最初は登山道の山側から聞こえましたが、しばらくすると何度か川側から聞こえました。その後、山側に移り、また川側に移りました。 さえずりが聞こえる方をチェックすると、杉の木の枝から垂れ下がるように”ゆらゆら”しているモノが見えました。明らかにサンコウチョウの尾です。一度は全身を見ることができましたが、すぐに手前にある杉の幹の陰になりました。
別の角度から見ようと位置を変えていると、ヒヨドリが鳴きながら、サンコウチョウがいる方へ飛びました。
そのタイミングで、一瞬ですがサンコウチョウが飛ぶ姿が見えました。しかし、その後はサンコウチョウのさえずりを聞くことはできませんでした。
コシアカツバメ
初谷渓谷の入り口と妙見口駅の間に田園地帯がありました。ツバメが繁殖するのに適した場所です。初谷渓谷へ行く時も多くのツバメが飛んでいました。ぱっと見た感じでも、街中で見るツバメと違うことが分かりました。久下氏が「飛んでいるツバメの腰の辺りを見てください。赤いでしょ。コシアカツバメという種類のツバメです」と教えてくれました。電線に止まっているペアのコシアカツバメを、久下氏が撮影してくれました。尾が長い方がオスです。
街中のツバメの巣はお椀型ですが、コシアカツバメの巣は徳利のような感じで、小さな口から出入りしています。
コシアカツバメの鳴き声は、街中のツバメよりも濁った鳴き声でした。
サンコウチョウをしっかりと見ることはできませんでしたが、コシアカツバメの様子に癒されて帰りました。
バードウォッチングに関する気付き
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初めての方でも楽しめる、野鳥ガイド 久下直哉氏 と行くバードウォッチングのツアーです。
バードウォッチング基礎知識
久下直哉氏監修のバードウォッチング基礎知識です。バードウォッチングを始める方は参考にしてください。 バードウォッチングの楽しみ方 / バードウォッチングの時の服装や持ち物
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初谷渓谷の場所と行き方
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