ものさし鳥
バードウォッチングで見た鳥が何か分からない場合、後に図鑑で調べる際に重要な情報の一つに大きさがあります。
バードウォッチングでは、「スズメよりも小さい」「スズメと同じくらい」「スズメとムクドリの間ぐらいの大きさ」など、大きさの見当をつけるのに基準となる鳥がいます。
スズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、キジバト、ハシブトカラス、トビが大きさの基準となりものさし鳥と言われる鳥です。
ものさし鳥は、ほぼ全国にいる留鳥なので、見る機会が多いはずです。普段から見る時には大きさを意識して見ましょう。
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スズメ サイズの鳥
日本で見ることのできる鳥類の半分以上はスズメぐらいの大きさです。なので、街中や公園にいる鳥のことを、スズメと思い込んでいる場合が多いのです。バードウォッチングを始めて、意識して鳥を良く見てみると、実はスズメ以外の鳥だと気付くことがあるでしょう。
スズメ
全長14.5cm 留鳥 スズメ目スズメ科
市街地、住宅地などにも居るので、よく目にすることが多いでしょう。
スズメは、ものさし鳥の中でも最も対象となる鳥が多い鳥なので、サイズ感を意識して見てください。
メジロ
全長12cm スズメより小さい 留鳥 スズメ目メジロ科
明るいウグイス色で、梅の花が咲くと花の蜜を吸いに来るので、鳥をあまり知らない人にはウグイスと間違われる。目の周りが白いのでメジロという名前なので、分かりやすく、一度見たらすぐに覚えることができる入門者向けの鳥。
ジョウビタキ
全長14cm スズメと同じくらいの大きさ 冬鳥 スズメ目ツグミ科
オスは銀色の頭、黒い喉、オレンジ色のお腹。メスは、灰色っぽい茶色の体、茶色の羽根に白斑があります。オスはジョビオ、メスはジョビコと親しみを込めて呼ばれています。
シジュウカラ
全長14.5cm スズメと同じくらいの大きさ 留鳥 スズメ目シジュウカラ科
頭と胸は黒く、ほっぺは白く、胸の黒い部分はネクタイに例えられます。このネクタイが太いのがオスで、細いのがメスです。平地から山地の林だけでなく、市街地や住宅地でも見かけます。
コゲラ
全長15cm スズメと同じくらいの大きさ 留鳥 キツツキ目キツツキ科
日本のキツツキの中で一番小さい。背はこげ茶色に白い模様で、両足と尾との三点確保で木の幹に止まっていると見過ごしがち。「ギー」という濁った鳴き声や早いテンポで木を突っつくドラミングが聞こえたら探してみましょう。
オスは、耳羽の上あたりに赤色の小さな羽があります。
ツバメ
全長17cm スズメと同じくらいの大きさ 夏鳥 スズメ目ツバメ科
春に東南アジアから渡ってくる夏鳥で、日本で繁殖します。家や建物の軒下に泥でおわん型の巣をつくり子育てをします。
カワセミ
全長17cm スズメと同じくらいの大きさ 留鳥 ブッポウソウ目カワセミ科
長いくちばし、青い背中、オレンジ色のおなかが特徴です。下くちばしが赤いのはメスです。
池や渓流を見下ろせる木の枝や岩の上から水中の小魚などを狙って、水中にダイビングします。
ハクセキレイ
全長21cm スズメより大きい 留鳥 スズメ目セキレイ科
頭から背は黒色か灰色で、腹と羽の一部は白色。白い顔に目を通る細い黒線と長い尾が特徴です。市街地でも路上をウォーキングしていることが多く、よく見かける鳥です。
モズ
全長20cm スズメより大きい 留鳥 スズメ目モズ科
全体的に明るい茶色で羽は灰色。目を通る太目の黒線と長い尾、カギ型のくちばしが特徴です。肉食系で蛙や小鳥も捕える。獲物をとがった小枝や、有刺鉄線のトゲなどに串刺しにする「モズのはやにえ」という習性があります。
ムクドリ サイズの鳥
ムクドリは、スズメよりもふたまわりぐらい大きなサイズです。
ムクドリ
全長24cm 留鳥 スズメ目ムクドリ科
ムクドリの全身は黒っぽい褐色で、白っぽいほっぺ、濃い黄色のくちばしと足が特徴です。群れで街中の街路樹などをねぐらにしているので、意識すると比較的見かけやすい鳥です。
ツグミ
全長24cm ムクドリと同じくらいの大きさ 冬鳥 スズメ目ヒタキ科
ムクドリよりもスマート。胸のまだら模様、白っぽい眉毛のような模様、茶色の翼が特徴。10月頃に渡って来て3月なかばごろになると群れて北へ帰ります。住宅地でも見れることがあります。今は捕獲が禁止されていますが、食料とされていたこともあります。
アカハラ
全長23.5cm ムクドリと同じくらいの大きさ 夏鳥(冬鳥) スズメ目ヒタキ科
胸からおなかにかけて赤みがかった明るい茶色なので、アカハラと呼ばれている。冬にも見かけられるが、夏に見られるアカハラとは繁殖地が異なる。
ヒヨドリ サイズの鳥
ヒヨドリは、ムクドリよりひとまわり大きく、ハトよりも小さいサイズです。
ヒヨドリ
全長27.5cm 留鳥 スズメ目ヒヨドリ科
ヒヨドリは、全体的に灰色で、ボサボサ頭に茶色いほっぺが特徴です。日本国中で見られますが、日本近辺にしかいない鳥です。「ヒーヨヒーヨ」と甲高い声で鳴きます。
カイツブリ
全長26cm ヒヨドリと同じくらいの大きさ 留鳥 カイツブリ目カイツブリ科
頭部は黒く、首は赤茶色、胴体は濃い茶色。水に潜るのが得意で、小魚、ザリガニ、エビ類、水生昆虫などを捕食します。
かつて、カイツブリは鳰(にお)と呼ばれていて、琵琶湖に多く居ました。そのことから琵琶湖は「鳰の海」と言う名前でした。カイツブリは、滋賀県の県鳥に指定されています。
キジバト サイズの鳥
全長がスズメの倍以上となるサイズ。
キジバト
全長33cm 留鳥 ハト目ハト科
翼の茶色いうろこ模様、首の縞模様が特徴。街中の木の多い所や公園でも見かけることが多い。オスは「デーデー・ポッポー」と低い目の声で鳴く。
因みに、公園や神社などで見かける灰色のドバトは飼育されていたものが野生化したハトで、野鳥ではありません。
カケス
全長33cm キジバトと同じくらいの大きさ 留鳥 スズメ目カラス科
頭は白と黒のまだら模様。翼は青・黒・白の縞があり、羽根を拡げると目立つ。山地の森林にいることが多いが、秋冬には低地の緑地などでも見ることができます。
地鳴きは濁った声で「ジェーッ」と鳴きますが、他の鳥の声を真似たりもします。
コガモ
全長37.5cm キジバトよりやや大きい 冬鳥 カモ目カモ科
日本で見れるカモ類の中で最も小さい。オスは栗色に緑の柄が入っていてカラフルですが、メスは茶色系で地味。
秋早くから春遅くまで、湖沼、河川、池、海岸などで見ることができます。
キンクロハジロ
全長43.5cm キジバトよりやや大きい 冬鳥 カモ目カモ科
オスは頭部、胸、背が光沢のある黒で、後頭部に飾り羽があります。メスは茶色系の地味な色。オスもメスも黄色い目をしていて、羽根を拡げると白い帯が見えます。
ハシブトガラス サイズの鳥
ハシブトガラスは、街中でもよく見ることができます。なので、行動を観察するだけではなく、サイズ感も把握してください。
ハシブトガラス
全長56.5cm 留鳥 スズメ目カラス科
ハシブトガラスとハシボソカラスとの違いは、くちばしが太く、おでこが出っぱっている部分です。エサを高く安全な場所に運んでから食べることが多いです。
ハシボソガラス
全長50cm ハシブトガラスよりやや小さい 留鳥 スズメ目カラス科
ハシブトガラスと似ていますが、くちばしの先のカーブが緩やかで、おでこは出ていません。ハシブトガラスの鳴き声は「カーカー」と澄んでいますが、ハシボソガラスの鳴き声は「ガーガー」と濁ってます。
カルガモ
全長60.5cm ハシブトガラスよりやや大きい 留鳥 カモ目カモ科
首を縮めるとハシブトガラスくらいの大きさです。全体的に茶色で、他のカモのメスに似ていますが、くちばしの先が黄色いのが特徴です。留鳥なので、一年中見られます。
トビ サイズの鳥
ハシブトガラスよりも一回り以上大きなサイズです。
トビ
全長59cm(オス) 69cm(メス) 留鳥 タカ目タカ科
海岸、湖沼、里山、市街地などでよく見られる。上昇気流に乗って、上空で輪を描きながら漂い、優れた視力で地上の食べ物を探す。「ピーヒョロロッロッロ」という、よく通る鳴き声。
アオサギ
全長95cm トビよりも大きい 留鳥 ペリカン目サギ科
日本のサギ類では最大級です。背は青みがかった灰色で、頭に黒い飾り羽があります。足も長いので目立ちます。
参考:「大きさでわかる おさんぽ鳥図鑑」(日本野鳥の会)
監修・写真提供:久下直哉 氏