バードウォッチング初心者のための双眼鏡の選び方
バードウォッチング入門用のおススメの双眼鏡
- 倍率は6倍から10倍
- バードウォッチングがメインで使うなら対物レンズが大きめのレギュラー・サイズ
- コンサートやスポーツ観戦、旅行にも持って行くのであればコンパクト・サイズ
- 一般的な価格帯の目安は8,000円から15,000円ぐらい
- メーカーはページ下部の双眼鏡のメーカー 一覧に掲載しているメーカーであれば、問題ないでしょう
先に結論的なまとめを記載しましたが、細かく知りたい方は、以下の内容をお読みください。
双眼鏡のパーツ名
双眼鏡に関する用語の解説と、その用語ごとに選び方のポイントを解説しています。双眼鏡のパーツ名を把握してお読みください。
倍率
何倍に見えるかの数値です。倍率が上がると大きく見えますが「手ブレが大きくなる」「見える範囲が狭くなる」「暗く見える」などのデメリットが発生します。
バードウォッチング初心者にとって、扱いやすい双眼鏡の倍率の上限は10倍とお考えください。入門用であれば6~8倍の双眼鏡がおススメとなります。
対物レンズ有効径
対物レンズの直径の事です。
この数値が大きいほど双眼鏡に入る光の量が多くなり、解像度と明るさが向上します。ただし、レンズが大きくなるので双眼鏡全体のサイズも大きくなり重くなります。
ひとみ径 (射出瞳径)
「ひとみ径」は接眼レンズから覗いた時に見える、対物レンズの像の直径の事です。眼は明るい場所では瞳の直径が小さくなり、暗いところでは大きくなります。この事と同様に、双眼鏡の「ひとみ径」の数値が大きいほど夕方など薄暗い時でも見やすいのです。
視界
バードウォッチングは動く野鳥を見るので、視界が広い方が野鳥を見つけやすいです。倍率が高くなると視界は狭くなります。
視界の違いの例
木の幹の二股に分かれた所の、上の奥にヤマガラがいます。
A-1 視界が広いと目印とヤマガラが同じ視界に入ります。
B-1 視界が狭いと目印とヤマガラが同じ視界に入りません。
B-2 双眼鏡を目印から上に動かすとヤマガラが視界に入りました。
※ AとBは同じ倍率で、AはBの1.5倍の視界を想定した比較です。
用途 / タイプ
双眼鏡には大きく分けて、バードウォッチングやスターウォッチングを楽しむためのレギュラー・サイズのフィールド・タイプと、簡単なバードウォッチングやスポーツ観戦、コンサートや演劇、美術鑑賞でも使える持ち運びに便利なコンパクト・サイズがあります。
これからバードウォッチングを本気で楽しむつもりであれば、フィールド・タイプの双眼鏡をおススメします。しかし、バードウォッチングを楽しみたいのだけど、登山やちょっとした旅行でも野鳥を観察したいとか、他の用途も兼用にしたいのであれば、コンパクト・サイズのものを選ぶのも選択肢の一つとなります。
写真の双眼鏡は大きさが全く異なりますが、倍率は共に8倍のものです。
スペック | レギュラー・サイズ | コンパクト・サイズ |
---|---|---|
倍率 | 8倍 | 8倍 |
対物レンズ有効径 | 30mm | 24mm |
実視界 | 7.5度 | 6.2度 |
ひとみ径 | 3.8mm | 3.0mm |
明るさ | 14.4 | 9 |
アイレリーフ(目あて) | 16.0mm | 12.0mm |
1000m先の視野 | 132m | 108m |
サイズ(全長 x 全幅 x 全高) | 114 x 160 x 48mm | 95 x 67 x 43mm |
重さ | 475g | 220g |
対物レンズ有効径やひとみ径が大きいレギュラー・サイズの双眼鏡の方が、視界が広く明るく見え、グリップ感があるので手ブレしにくく、野鳥をじっくりと観察できます。ただし、コンパクト・サイズは容量が3分の1以下、重力も半分以下なので、旅行や登山に持って行くのに負担にならず、カバンにも入るのでコンサートやスポーツ観戦にも持って行けます。
双眼鏡のメーカー 一覧
双眼鏡のメーカーは意外と多く、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電のメーカーよりも多いのでは?
挙げればキリがないので、主なメーカーを50音別に並べました。カメラ、顕微鏡、天体望遠鏡、光学機器などのメーカーが高品質の双眼鏡を作っています。
日本国内メーカー
オリンパス(Olympus)、キャノン(Canon)、ケンコー(Kenko)、コーワ(KOWA)、ニコン(Nikon)、ビクセン(Vixen)、フジノン(FUJINON)、ペンタックス(PENTAX)
海外メーカー
エッシェンバッハ(ESCHENBACH)、カール ツァイス(Carl Zeiss)、スワロフスキーオプティック(SWAROVSKI OPTIK)、ブッシュネル(Bushnell)、ライカ(Leica)
※スワロフスキーオプティックは、クリスタルガラスで有名なスワロフスキーのグループ会社で、1949年創業の光学製品メーカーです。熟練した職人による手作りで、最高品質でスタイリッシュなデザインの「逸品」です。入門用としてはかなり高額となりますが、スワロフスキーが好きな方にはたまらない双眼鏡です。
防水機能
バードウォッチング用の双眼鏡は、アウトドアで使うことになるので防水性の高いものをおススメします。
監修・写真提供:久下直哉 氏